漫画の中でもファンタジー作品が大好きなのですが、最近ダークファンタジーがとっても好きです。
ジャンルとしてダークファンタジーで合っているか微妙なのですが、個人的にはダークファンタジーだ!と思ってハマっている漫画を今回はご紹介していきます。
comicoで土曜連載中の漫画「星ノ記憶」です!
もうね、もっと多くの人に読んでほしいし、なんならアニメ化だってしてほしい…!
作画も丁寧で美しくてね…もう時間忘れて魅入っちゃうのでダークファンタジー好きにはおすすめですよ~!
個人的な感想を含みながら魅力をお伝えしていきます!
※この記事は2019年11月に執筆しています。
ストーリーのネタバレや展開の予想などは2019年11月時点でのものになりますことをご留意ください。
なお、時間をみて記事の内容を修正・加筆していく予定です。
comicoで連載中!「星ノ記憶」とは
江渡ピリカ先生が描く、comicoの土曜連載漫画です。
絵が、絵がですね…!圧倒的に綺麗!美しい!まずはそれだけも見る価値ありです。
あらすじ
あらすじとしてはこんな感じです。
生まれながらに不幸体質な少女・潮星那。
ある日悪夢を見てから、星那の周りで不可思議な事件が次々と起こる。
偶然現れた謎の男の助けにより数々の危機を回避していくが明らかに不審な点ばかり。
これは本当に”偶然”…?それとも…
物語は何かとツイてない主人公の高校生「潮 星那(うしお せな)」が悪夢を見るところからはじまります。
何者かから逃げるも命を奪われる…という、かなり嫌な夢。
そして、それがほぼ現実となってしまいます。
しかし夢とは違い、星那のピンチに謎の男性――「要(かなめ)」が現れ、彼女は命を落とさずに済みます。
…元から不幸体質なこともあって、よくケガをしそうになったり事故に巻き込まれそうになったりする星那ですが、この日を境に星那のピンチには必ず要が現れ、身を挺して彼女を助けてくれるようになります。
でも、星那のピンチに必ず現れて命を救ってくれるのはありがたい一方で…
めっちゃくちゃ怪しいじゃないですか。
必ずですよ、必ず。もはやストーカー(笑)。
って最初は思うんですが、それを星那の周りが「自作自演(要さんが星那を危険にさらし、それを自分で助けている)なのでは?」と思い始めます。
まあ、そう思われても仕方がないかもしれません。
だって本当に、どう考えてもこんなの普通は助けられないでしょ…。っていうような事態に陥って、それを助けてしまうのだから。
物語は、不幸体質によって命の危険にさらされる星那をさらに過酷な運命へと追い詰めていきます。
ネタバレ注意!要が星那を守る理由と、星ノ女神
この先はネタバレを含みます。
まだ作品をご覧になっていない方はご注意くださいね。
死のループを断つために、要は星那を守り続けている
要さんは正確には物語冒頭~24話まで生きていた星那たちと同じ次元(と言っていいのか分かりませんが)の人間ではありません。
24話で星那が命を落とし、その後白い衣装をまとった女性――星ノ女神が現れ、要さんを煽ります。
そして彼は願います。「もう一度…」と。
そう、これは星那の死でまた振り出しに戻る死のループ。
星那は星ノ女神に狙われ、多くの危険に巻き込まれ、その脅威から星那を守り抜くことが要さんの役目。
言い方を変えれば、ゲームと同じような状態。
星那を失えばゲームオーバー。
もう一度やり直しますか?と女神に問われ、要さんはもう一度…と答える。
すると、スタート地点からやり直しになります。
それが繰り返されているのです。
何度も何度も、要さんは時間を遡ってこの「星那が命を落とす運命」を変えようとしているんですね。
これ、一見「やり直しができるならいいじゃん!」って感じるかもしれませんが…星那が命を落とすたびにやり直しをするんですよね。
つまり、星那が命を落とすところを毎回見届けるわけです…。
しかも、命を落とす理由はその時々によって違うこともある。
様々な脅威から身を挺して守り続けて、それでも大切な人は命を落とす。
それを、何回も、何十回も…下手したら何百回も繰り返している。
それに、やり直しをするとゼロに戻ってしまうので、星那は要さんのことを知りません。
しかも、星那だけでなく他の人たちも全員要さんとは初対面という状態です。NewGameということですね。
自分は知っているのに、相手は「あなたは誰ですか?(警戒心ありまくり)」という状態から毎回始まるというのも…これはまた、別の意味でメンタルが…やられそうです…。
星ノ女神はクトゥルフ神話のニャルラトホテプのような存在?
個人的な感想ですが、ストーリーの雰囲気はクトゥルフ神話っぽいな~って思います。
そして星ノ女神は邪神で、それこそニャルラトホテプのような存在…なんじゃないか?と思って「星ノ記憶」を楽しんでいました。
という感じで(笑)。
「星」が物語の中でよく使われますし、それが宇宙的であるといえばそうかな?と。
クトゥルフと言えば宇宙的脅威(コズミックホラー)という言葉がありますからね。
神話生物が出てくるわけではありませんが、要さんや伊織先輩の重い過去…そして作品に漂うダークな雰囲気とか、女神様が人を操って発狂させるところとか、登場人物たちのSAN値がゴリゴリ削れてそう…と。
クトゥルフのシナリオだとこういう展開あるな~って。
さらに女神様が人を煽ったり、人の生死をゲームのように愉しむ様が、それを思わせたような感じでしょうか…。
また、個人的には「幸福ノ少女」だった星那が神になる、生贄になる…と村人たちの話であった件について、クトゥルフ神話っぽさを感じて仕方がないんですよね…!
星ノ女神は「幸福ノ少女」だった星那説が濃厚?
物語は星ノ女神の正体が分かったところで大きな節目を迎えそうですが、コメント欄を含めて女神は「幸福ノ少女」であった星那ではないか?という考察がよくあります。
その理由としては
- 星ノ女神が着ている服が、「幸福ノ少女」だった星那が星ノ祭の時に着ていた服と同じだということ。
- 星那と同じ(似ている)顔だということ
などが挙げられています。
わたしもそんな感じがするな~…とは思っているんですが、ちょっと引っかかるんですよね。
「星見台で待ってます」という星那の一方的な約束を要さんは最初は守らなかったから、「幸福ノ少女」だった星那は火災に巻き込まれて重傷を負い、意識を失っています。
だから、彼が来てくれたことを知らないままなのかもしれない…という考えもあります。
けど、ループを繰り返す要さんは、元はと言えば「幸福ノ少女」だった星那を助けたくて、駆けつけたんですよね。
幸福ノ少女だった星那とこんな風に終わるなんて嫌だと思って、「もう一度やり直したい」って願ったはずです。
「幸福ノ少女」だった星那が星ノ女神だったとして。
そうして自分のために運命を変えようともがく要さんを、あざ笑うように苦しめるようなことをするか?って思うわけです。
けど、星那サイドで見ると、要さんは告白をさせてもくれなかった(想いを聞いてもくれなかった)。
一方的だったけど待ってるって言ったのに、来てくれなかった。
16歳の高校生の女の子だったら、これはちょっと辛いんじゃないかなって気持ちも分かる。
それに、ループを繰り返す中で、要さんが命を懸けて、人間とかけ離れた力を手に入れて守ろうとしているのは星那だけど、「幸福ノ少女だった星那」ではないんですよね。
そう考えると、愛しいからこそ「どうして私にはそうしてくれなかったのか」という気持ちになるのは理解できる。
確かに、幸福ノ少女だった星那は要さんに対して悲しい気持ちや、好きな気持ちがあったからこそ多少の憎しみを持っていたかもしれない。
けど、元の星那から星ノ女神ほど、心が歪んでしまうものなんだろうか?
歪んだ愛情というか、未来永劫、このループを彼と共に過ごすことが幸せ…くらいに感じているんだろうか?
守りたいと思った人を目の前で失うことを、数えきれないくらい繰り返して、築いた関係や信頼も、すべて失って。
要さんは女神の力を手にして痛覚を感じなくして、傷もすぐに治る。
けど、見た感じ体はかなりの重傷を負うように見えるはず。
なにより要さんの心がボロボロになっていくわけですよ…。
ループを繰り返す中で不幸体質の星那が要さんの正体を知った時に「痛くないんですか、心は…」って聞いてるんですよね。
星那はそういう痛みを分かる人間だけど、女神となる時に何かが変わってしまったのか…?
長々語りましたが、このあたりがちょっと気になるところですね…。
まとめ|ストーリーがとにかく面白いのでぜひ読んで!
色々と書きましたが、とにかく美麗な絵と、ストーリーの完成度が高くてダークファンタジーが好きな方にはおすすめです!
なんていうか、ブレることなくまっすぐに、無駄な話を挟まずに突き進む感じです。
だからと言って話の展開が早いわけではなく、よく練り込まれ洗練されたストーリーという感じ。
また、もう一人の主人公(で、いいのかな?)の要さんや、星那の先輩の伊織の過去がかなり暗く重いストーリーで心が痛くなるような展開になります。
そういった状況や人物の心情の描写がとても丁寧で心に刺さりました…。
そんな中で出会った星那がどれだけ彼らにとって救いだったかと思うと、本当にみんなが幸せなハッピーエンドを望まずにはいられません。
また、要さんが星那を想う一途な気持ちがもう、もう…胸いっぱいになる…。
語彙力が足りませんが、女子なら一度くらい、こんな風に大切に想われてみたい…よね…!?(笑)
しかし、要さん…「幸福ノ少女だった星那」と「今、死のループを共に抜け出そうとしている星那」…どちらも星那だし、大切な存在なんでしょうけど…。
いま行動を共にしている星那からすると、ちょっとモヤモヤしちゃうだろうなあ。
これは後ほどひと悶着あるやつですよね…!
それはそれで楽しみなので期待して待っていようと思います!
こんなに面白くて素敵な漫画なのに意外と知名度が低いようなので、気になった方はぜひ読んでみてください♪
2019年11月現在(この記事を書いた日)、連載中のため結末はどうなるのかまだ分かりませんが、今後も楽しみな漫画なのは間違いないですね!